2018/07/26 21:37

心の中にある本質的要素を考察しているのが、ハーレー ニーマン著「心の3次元」です。
「心の3次元」を通してローマ人を観察してみましょう。

多くのローマ人における人生観は詩人ユウェナリス(西暦60年 - 130年)によれば、
パンとサーカス(panem et circenses)でした。
権力者から無償で与えられる「パン(=食糧)」と「サーカス(=娯楽)」によって、
ローマ人は政治に無頓着でも十分幸せに生きていけたのです。

しかしながら、心の3次元によれば、衣食住に娯楽が加わっても、
それは「力の次元」という心の要素の一つでしかなく、
心の中には他にも「慈愛の次元」と「知性の次元」があるのです。

キリストが人々に伝える愛こそはまさしく「慈愛の次元」のことでした。

ナザレという属州ユダヤの田舎町に生まれた一人のユダヤ人は、
ローマ帝国からすれば、もしかしたら一人のローマ人からしても、
自分たちに劣る、虫けらのように、小さな存在のように見えました。

しかしながら、「力の次元」から見れば虫けらのような、小さな存在から、
後にローマ帝国そのものを変貌させるインスピレーションが生まれるのです。